活動レポート
- 確定申告
暗号資産の所得計算について
近年では、暗号資産もポピュラーな投資資産になりつつあるのではないでしょうか。
しかし、暗号資産の計算は複雑です。申告漏れを指摘され、多額の税金を納めることになった
ケースもございます。
今回は暗号資産の所得計算についてご紹介します。
例1:暗号資産を売却した場合
4/1 3BTCを300万円で購入
4/15 0.5BTCを70万円で売却
この場合の原価は、300万円×0.5BTC/3BTC=50万円です。
収入は70万円、原価は50万円、利益は20万円になります。
例2:暗号資産同士を交換した場合
6/1 3BTCを300万円で購入。
6/15 30XRPを購入するために、1BTCを支払った。
この取引時の交換レートは、1XRP=3万円であった。
この場合の収入は、受け取った30XRPの時価です。
つまり、30XRP×3万円=90万円です。
次に原価についてです。
300万円で購入した3BTCのうち、1BTCを支払っていますので、
300万円×1/3BTC=100万円です。
収入は90万円、原価は100万円、利益はマイナス10万円になります。
例3:暗号資産を何度も購入して売却した場合
7/1 3BTCを150万円で購入(3BTC保有)
7/15 5BTCを350万円で購入(8BTC保有)
7/31 2BTCを160万円で売却 (6BTC保有)
9/10 6BTCを480万円で購入(12BTC保有)
10/1 3BTCを250万円で売却(9BTC保有)
この場合の原価についてです。暗号資産の評価方法の届出を提出していなければ、
法人の場合移動平均法、個人の場合総平均法で計算します。
一般的には、個人の方で届出を提出していないケースが多いと思いますので、
このケースにあたる総平均法をご紹介します。
総平均法では、1年間に取得した暗号資産の金額を、
1年間に取得した暗号資産の数量で割って1単位あたりの暗号資産原価を求めます。
なお複数の銘柄を購入している場合には、その銘柄毎に集計しなければなりません。
今回の例では、BTCの購入についての集計だと考えてください。
以下計算式です。
1年間に購入した暗号資産の金額
7/1 150万円 7/15 350万円 9/10 480万円
以上の合計は、980万円です。
1年間に取得した暗号資産の数量は、
7/1 3BTC 7/15 5BTC 9/10 6BTC
以上の合計は、14BTCです。
1BTC当たりの原価は、980万円÷14BTC=70万円です。
収入は、7/31 160万円 10/1 250万円の合計410万円です。
売却数量は、7/31 2BTC 10/1 3BTCの合計5BTCです。
収入は410万円、原価は5BTC×70万円=350万円、利益は60万円になります。
売却せずに残った9BTCについては、
先ほど計算した1BTC=70万円、9BTC×70万円=630万円で翌年に引き継がれます。
弊社では暗号資産の確定申告も対応可能ですので、
自身での計算が難しい方はご依頼くださいませ。
参考資料
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf
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