活動レポート
- 法人税
賃上げ促進税制の資産計上とする人件費の取り扱いについて
平成25年から所得拡大促進税制の名前で広まった、人件費の増加により
法人税税額控除が行える制度がございます。
内容も変わり現在は名前も変わり、「賃上げ促進税制」となっています。
これは令和4年4月1日以降の開始事業年度(個人事業主は令和5年より)なので
通常の1年決算であれば、ちょうど今からの令和5年3月決算からが適用となります。
前回の制度に比べ、適用の効果も大きくなり、使いやすくなったと言えそうです。
制度紹介ではないので、気になった方はお調べいただければと思います。
資金の出費が伴う税額控除ですが、人件費ということでスタッフに還元できる面もあり、
経営者の方の感触も上々かと思います。
こちら、簡単に言うと前年度の人件費と当年度の人件費を比べ、増加していれば、
その差額の〇%が税額控除できるものになります。
一般的に人件費をそのまま損金処理していれば問題がないのですが、製造系の場合、
人件費を棚卸資産、ソフトウェアといった資産計上とする場合もございます。
原価計算の点からみても素晴らしいかと思いますが、今回の人件費の比較の場合、
どのようにすればよいのでしょうか。
こちら国税庁から回答が出ており、租税特別措置法第42条の12の5でこの制度について
表記されておりますが、その中に「資産の取得価額に算入された給与等」が出ており、
この制度で使う「給与等の支給額」は所得の金額の計算上、損金の額に算入されるものが
対象ではあるが、(上記のような)資産計上とし、翌期以降で損金処理としていく
人件費の場合、継続利用を条件に、給与を支給した事業年度の「給与等の支給額」に
含めて計算している場合、その計算を認めるとあります。
つまり、原則は損金処理を行った年度にその損金分を人件費として比較対象とするが、
例外として、通常の給料日の支給ベースで計算をしていいということです。
制度の運営上、早く従業員の賃上げをしてもらい、効果をだしていきたいというものですので
そういった例外になったのかなとございます。
ただし、損金按分の期間がとても長かったりすると除外を食らってしまう可能性もあるので
特殊な場合、相談に伺ってみてはいかがでしょうか。
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