活動レポート
- 消費税/インボイス
インボイス制度における交際費等に係る対応ついて
1人当たり5,000円以下の飲食費は、一定の要件の下で、交際費等の範囲から除かれます。
この5,000円以下の判定について、先日、質問を受けましたので、
今回はこの判定についてみていきたいと思います。
まず一定の要件とは、飲食その他これに類する行為のために要する費用について
以下の事項を記載した書類を保存していることが必要となっています。
● その飲食があった年月日
● その飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係ある者等の
氏名または名称およびその関係
● その飲食等に参加した者の人数
● その費用の金額ならびにその飲食店等の名称およびその所在地
次に、5,000円以下の判定についてですが、その法人の消費税に係る経理処理が
税抜経理方式であれば、税抜価額で判定し、税込経理方式であれば税込価額で判定します。
では、インボイス制度開始後の判定はどうなるのでしょうか?
適格請求書発行事業者に飲食費等を払った場合は、今まで通り判定すればいいと思います。
免税事業者に飲食費等を支払った場合、
「適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る取引について税抜経理方式で
経理している場合であっても、その取引の対価の額と区分して経理した消費税等の額に
相当する金額を当該課税仕入れに係る取引の対価の額に含めて法人税の課税所得金額を
計算する」(新経理通達14の2)となっています。
わかりにくいかと思いますが、要は控除できない消費税を、
控除対象外消費税等としてではなく、対価の額に含めて処理するということのようです。
適格請求書発行事業者以外(免税事業者)へ5,500円(税込)の飲食費等を支払った場合、
消費税相当額500円は控除できないため、5,500円で5,000円以下の判定をすることになり、
交際費等の範囲から除くことができなくなります。
インボイス制度導入後、6年間は経過措置があります。
では経過措置期間中の取扱いはどうなるでしょうか?
経過措置期間中は、
令和5年10月1日~令和8年9月30日 の3年間は80%、
令和8年10月1日~令和11年9月30日 の3年間は50%
は消費税とみなされ控除できます。
逆に言うと80%の経過措置期間中は、消費税相当額の20%は控除できないため、
上記の例では、消費税相当額 500円×20%=100円は控除できないことになります。
控除できない消費税相当額を対価に含める必要があるので、5,000円+100円=5,100円 で
5,000円以下の判定をすることになります。
細かいことではありますが、処理を誤ると交際費等に該当し、交際費等の金額によっては
損金不算入になるかもしれません。
インボイス制度導入に伴い、経理処理も複雑になります。
正しい経理処理ができるように情報収集も必要です。
不明点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ
税理士法人 広島パートナーズ
TEL:082-263-0916
Mail:partners@hp-tax.com