活動レポート
- 相続/贈与/事業承継
暦年贈与が得か、相続時精算課税による贈与が得か
令和6年から新税制による贈与が始まっています。
先日、これに関して質問されたのが、
「暦年贈与、相続時精算課税による贈与のいずれを選ぶべきなのか?」
というものです。
これは一概にどちらの贈与がいいとは言えず、
贈与を始める年齢、亡くなるタイミング、何をどのように贈与するのか、
贈与した財産を運用するか否かなど、様々なことを考慮する必要があります。
「人が亡くなるタイミング」という結果論の要素もあり、
どういう前提で、何を贈与するのかを考える必要があります。
●暦年課税制度が向いている人
相続時精算課税制度を選択できるのは60歳以上の父母や祖父母と要件があるため、
60歳未満であれば、暦年課税制度を選択するしかありません。60歳以上になった時点で、相続時精算課税制度に切り替えることもできます。
60歳は超えたが、まだまだ元気な人は、元気なうちから贈与を開始することで、相続開始前
7年を経過した贈与は生前贈与加算の対象外になり相続税を軽減することができます。孫へ
贈与することが可能な人は、相続財産をもらわない孫は相続開始前7年以内の贈与でも生前贈与加算の対象外になるので相続税を軽減することができますので暦年課税制度を利用するといいと思います。
●相続時精算課税制度が向いている人
長期にわたる贈与が困難な場合、いつ亡くなっても年110万円以下の贈与は相続財産に加算されない相続時精算課税制度を活用するほうがいいですね。
相続時精算課税制度による贈与を相続財産に加算する場合は贈与時の評価額で加算するため、値上がりする前に贈与することで相続税を軽減することができます。
将来値上がりしそうな不動産や株を持っている人も相続時精算課税制度を活用するほうがいいです。
一時的に価値が下落している資産を持っている場合、そのタイミングで贈与することにより、下落時の評価額で相続税を計算することができますので、この場合も相続時精算課税制度を活用するほうが有利になります。
贈与された金銭で生命保険に加入するなら
(1) 一般的な加入形態
被保険者:父親
契約者(保険料負担者):父親 → 保険料:2,000万円
受取人:子供 → 保険金:5,000万円
(2) 相続時精算課税による贈与を活用した加入形態
父親が子供に金銭2,000万円を贈与する
被保険者:父親
契約者(保険料負担者):子供 → 保険料:2,000万円
受取人:子供 → 保険金:5,000万円
この場合
(1)の加入形態:保険金5,000万円に対して相続税が課税
(2)の加入形態:保険金5,000万円に対して所得税・住民税※が課税
※ 一時所得のため、保険料2,000万円控除後の利益の1/2に対してのみ課税となります。
このどちらが有利かも
保険料の額、死亡保険金の額、その他の相続財産の額、配偶者の有無、相続人の人数
などの要素によって変わります。
誰にいつどのように贈与するかで課税方法も変わってきます。
暦年贈与、相続時精算課税による贈与のいずれを選ぶ?は、
やっぱり個別の事情によって変わります。
なので事前に、それもなるべく早めに相談することをお勧めします。
令和6年から始まった新税制による贈与をぜひ活用してみてください!
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