活動レポート
- その他(企業経営等)
年末調整の手続き
10月に入り今年も余すところ3か月弱となりました。
経理・事務を担当している方の中には、そろそろ「年末調整」の言葉が浮かぶ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
毎年のことではありますが、年末調整についてまとめてみたいと思います。
年末調整とは
一言で言うと「所得税の過不足を精算する手続き」です。
会社に勤務する給与所得者の場合、個々人の所得税は会社が代わりに納税を行い社会保険料等とともに毎月の給与や賞与から天引きされています。この時点での所得税は概算で算出されたものであり正しい税額ではありません。
1年間の給与総額が確定する年末に正しい税額を計算し精算を行うことを年末調整といいます。
年末調整の対象となる人
①年を通じて勤務している人
➁年の途中で就職して年末まで勤務している人
➂年の途中で退職した人のうち
・死亡したことにより退職した人
・12月中に支払期がくる給与の支払いを受けた後に退職した人
・著しい心身の障害のために退職した人で、その時期からみてその年中に再就職ができないと見込まれる人
・パートタイマー等で働いていた人で、今年中に支払を受ける給与収入総額が103万以下である人
④年の途中で海外の支店へ転勤したことなどの理由により、非居住者となった人
年末調整の対象とならない人
①年間の給与収入等の総額が2,000万円を超える人
②2か所以上から給与を受けている人で他の給与支払者に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人 *乙欄適用者
➂年末調整までに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していない人
④年の途中で退職した人(先述の対象になる人③に該当しない人)
➄災害によりその年分の給与に対する源泉所得税の徴収猶予又は還付を受けた人
⑥非居住者
➆継続して同一の雇用主に雇用されない日雇労働者
年末調整の申告書と各種控除
年末調整を行うにあたり会社は書類の提出を受ける必要があります。必要書類と各種控除は以下の通りです。
①給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
→扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除
②給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書 *令和6年分は定額減税のための申告書も兼ねた様式になる予定
→基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、所得金額調整控除
➂給与所得者の保険料控除申告書
→生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除(申告分)、小規模企業共済等掛金控除(申告分)
④給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
→(特定改築等)住宅借入金等特別控除
年末調整後の処理
・税額の納付
過納額や不足額の精算後年末調整をした月の「所得税徴収高計算書(納付書)」に記載し納付を行います。
・税務署等への報告(法定調書)
法定調書合計表を作成します。法定調書合計表とは1年間にいくら給料を払い源泉徴収したかを税務署に報告するものです。
・市区町村への報告(給与支払報告書)
給与支払報告書とは1年間に給与をいくら払ったかを市区町村に報告するものです。この報告書を提出することで翌年の住民税が確定します。
年末調整は従業員の生活を支援する大切な手続きです。また、令和6年は定額減税に関する事務を行う必要があります。
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